2016年11月29日火曜日

転職失敗5ヶ月でブラック企業を辞めた経験談と面接の注意点


僕がこれから書こうとしていることを、人に話せるようになるまで1年近くかかった。
それは、自分で決めた答えだからなおのことそうだった。
苦しくて辛くて悔しくて。
それでも自分を責め続ける日々と、許すことができるまでの時間はそれくらいかかった。
よくある話なのかもしれない。
それは他人から見れば普通のことなのかもしれない。
それでも僕にとっては耐え難く、決して納得がいくものではなかった。
僕が順風満帆に新たな一歩を踏み出し転職した企業はブラックだった。

これから語ることを恨み節などと捉えて欲しくはない。
あくまで僕の主観的な話で、どちらか一方が正しいことなどないと思っている。
また、善悪を語りたい訳でもない。
僕の本意は、これから転職を考える人にどのようなポイントで企業を見れば良いかなどの参考にしてもらい、僕のような失敗はしないでもらいたいと願うのみだ。

僕は転職や就職活動をほとんどしたことがなかった

23歳の時に就職した僕は、それまでアルバイトの経験しかなく一般の企業に勤めることは初めてだった。
それも、たまたまネットで見つけたWeb制作会社が家から割と近いという理由で面接を受けた所、運良く面接1社目で内定をもらいそのまま入社という流れだった。
当時の僕にとってサラリーマンや正社員というのは全くの別次元・別世界の話だった。
高校を中退し大検は取ったものの入学した大学にも全く通わず辞めてしまった僕には、自己肯定感なんてものはなく、アイデンティティを支えているものと言えば幼い頃から続けていた演劇くらいしかなかった。
だから、内定が貰えた時すごく嬉しかった。
色々なことがあったけど、それでも8年間その会社で働いていた。
自分で言うのもなんだけど、未経験でここまで成長したんだから俺すげーなーってそれだけは自負できるんだよね。
ザ・叩き上げって感じで。

3〜4年も経てば、学歴と仕事ってのはあんまり関係ないんだなって分かったけどね。
ただやっぱ、ある程度の大学出てる人の方が理解力があるなってのは話ししてて思うけど。
面接する側になると、確かに偏差値の高い大学だと選びやすいなってのはあったね。

学歴に対してはコンプレックスというよりは自分にとって未知の存在だから、大卒や大学生に対して過剰評価をしていたところはあったかもしれない。
冷静に考えてみれば、そんなに仕事と関係ないんだけどね。

また、同じくらい自分と似たような境遇や経路を辿った人間に対して評価をしてしまうこともあった。
自分を特別な人間とは思ってないけど、自分と同じことができる訳ではないし、学歴と同じでそれまでどうだったかなんてあんまり関係ないんだよね。

転職で年収が一気に100万以上あがる

実際に転職する前にも、何度か他の企業様からお誘いいただくようなことはあった。
自分自身でもそれなりの仕事や成果は出していたつもりでもいた。
それでも他の転職先を選んだのは「僕はちゃんとした就職活動をしたことがない」という思いがあり、ちゃんと経験しておくべきではないかと思ったからである。
それは、自分自身が何人も面接をしたりして沢山の人に会う中で「僕はあんまりこういう苦労してこなかったな」ってどこか後ろめたさがあった故である。
そんな気にすることないんだけどね。

でも、一度決めたら実行するタイプなので、不慣れな面接に緊張しながらも何社か面接を受けているうちに、転職先と出会いました。
ちょっと知らない分野の業界ということもあり、好奇心旺盛な僕は面白そうだなって興味がありました。
2回の面接が終わり、条件面が提示され年収が明らかになりました。
当時の年収の100万以上アップした提示額でした。
もともとそんなに高くなかったってのもありますけどね(笑)
それでも、すごく嬉しくて一人で泣きました。

認められたって思いました。
今まで評価されてこなかった訳ではないです。
むしろ評価はしてもらいました。「言葉」で。
僕はお金が欲しい訳ではありませんでした。
でも、結局社会で自分を計る物差しってそんなものくらいしかないんじゃないかなって思うんですよね。
良い人。優しい人。楽しい人。凄い人。
別にお金なんてどうでも良いんだけど、「言葉」って脆いから。
お金って「行動」で動くものだから。
元の会社に不満があった訳ではないけど、そういった部分が自分自身納得できなくなり2年間の執行猶予をもって退職しました。

だからね、転職先の提示額を見た時すごく嬉しかったんだ。
やっと自分の仕事やスキルに対して行動をもって認めてくれたって。
舞い上がってしまったんだね。
もっとちゃんと見なくてはいけない部分があったかもしれないのに、僕は見てなかった。

お互いに都合の良いことを言い合うのが面接

企業が入社希望者を採用したいと考えている時、その妨げになるようなことはまず言いません。
それでも、嘘を付くことは普通の企業であればないでしょう。
つまり何が言いたいかというと「自分が大切にしているものやポリシーにその企業が反していないか質問する」ということです。
労働条件であったり給与であったり福利厚生であったりなんでも構いません。
質問に対して虚偽の説明をしていたのであれば、それは問題外の企業なので掲載していた転職サイトなどに相談した方が良いと思います。
これ、当たり前のことだと思います。
でも、僕はちゃんと質問できずに自分の希望とは大きく異なるブラック企業に入社してしまいました。
これから転職しようとしている方は、ぜひ自分が大切にしているものや条件を箇条書きしておいてください。
そして、それに対する答えがYesかNoかということではなく、その結果を自分がどう判断するかでその企業と向き合ってください。
これは入社前にできることです。

ずっと暗い場所にいると自分の色がわからなくなる

ところで、僕がいつこの会社ブラックだと思ったと思います。
初日から思ってました。
「あ、これは失敗した」と。
なんですぐに辞めなかったと思います?
そんなの、つまらない自分自身のプライドでしかないですよ。
冒頭に書いた通り、自分で決めた答えだったからですよ。
ハッピーだったんで、周りにも随分大きいことを言っていたかもしれませんね。
そんな自分が失敗するなどあり得ないんですよ。

入社以来待ち受けているのは、すでに退職が決まっている人間との間で始まる煩雑な引き継ぎ作業。
とても通常勤務だけでは終わらない仕事量。
恒常的な人手不足。
ここで求められていることは、僕のスキルやマーケターとしての采配ではなく、単に毎月数十社あるレポートを過密なスケジュールに間に合うように作成することなのだ。
僕の考えるコンサルタント像や顧客との向き合い方とは全く異なっていた。

それでも「すぐ辞めたらヘタレと思われてしまう」とか、実際に人を選ぶ側だったこともあり、ばっくれてしまう人間を何人も見てきたので、そのような人と一緒にされたくないという思いが強かった。
そして、自分に対しても言い訳をした。
本来の時間ではなく成果を仕事の評価としていた軸から、いかに頑張ったか、作業量をこなしたかといった、過酷な状況で働いている自分を評価し始めた。
これだけは言える。それは間違いだ。
恒常的な人手不足やそれに伴う長時間労働が評価の対象であるならば、それは君である必要はなく単に企業としての欠陥だ。

それでも、自分を他人を欺き続けた。
これはぼくがきめたことだから。

それでも退職は辛かった。仕事が嫌いな訳じゃないから。

同僚がいた。
お客さんがいた。
自分が今まで発した言葉があった。
それはみんな本当のことだったけど、全部嘘になってしまいそうで怖かった。
無責任な奴だって思うだろうなって思った。
でも、僕はもう無理だった。嫌だった。
一番嫌だったのは、僕がその仕事量をこなせるようになったことだ。
仕事はこなすものなんかじゃない。
毎月膨大なレポートをまとめ、ネタ切れ気味な提案をアイデアで切り抜けるダケの毎日。
コンサルティングというより一発芸だ。
顧客と向き合いたい。本来はプランニングや提案内容にこそ時間をかけるべきだ。
入社当初感じていた問題点は、いつしか仕事量の前に黙殺するようになる。
こなしている自分がいた。

これではダメだ。
本当に自分が大切にしているものを失くしてしまう。

「最低でも1年間は頑張ろう」

初めはそう思っていた。結局は対面と履歴書に書く時のことを考えたから。
でもさ、そんなことのために1年いることに何の意味があるんだと思ったんだよね。
僕は結局入社5ヶ月あまりで退職した。

その色は何色ですか

今まで転職先をブラック企業と言っていましたが、あくまで僕にとってということです。
他の人にとっては違うのかもしれません。
それに、ああいった働き方が当たり前の人にとってみれば「何言ってるの?」って思うのかもしれません。
僕が言いたいのは、その色を当人がどう見るかということです。
幸せの形が人それぞれであるように、僕は他人の生き方を否定しません。
また、昨今のブラック企業問題のように脊髄反射でブラック批判をするつもりもありません。

この投稿を通じて言いたいことは、自分が入ろうとしている企業が自分の求める条件を満たしているか、ちゃんと考えてから決めようという至極当たり前のことです。
企業側は当然自分をそのように見てくるわけですから。

考え方は人それぞれ。便利な言葉です。

ま、それも自分の経験談を話しつつも中立的な立場を保つために言っているだけで、感情を吐露すれば「とんでもねぇブラック企業を踏んじまった。この人たちは一体なんの弱みを握られてるんだ」ってのが正直なところです。

これでも結構セーブしてますけどね。
夢にうなされることもなくなり、ようやく普通に話せるようになりました。

新しい一歩を踏み出そうとする方へ。
色々書いてしまいましたが、その勇気ある一歩はあなたの道を切り開く。
前を向いて歩いてください。
その道が彩りに溢れますように。
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