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大田原市健康長寿健康セミナー 乙武洋匡さん |
僕が今の奥さんと付き合い始めてこの夏で13年になる。
結婚してから週末婚のような半分単身赴任生活を3年程。
今日はそんな週末の根城大田原市で乙武洋匡さんのセミナーを聞きに行ったのだが、普段東京で仕事をしている僕にとって、乙武さんのセミナーを大田原市で聞くというのがなんとも違和感というか新鮮な気持ちで迎える事になった。
僕にとっての乙武さんとは「五体不満足
なんとなく、映画の話やスポーツライターとかの話は聞いても、実体としての彼を知っているかと言えばそうではない。
たまたま健康診断に立ち寄った病院で「健康セミナー」と銘打った横にデカデカと乙武さんの顔写真があったので、普段東京で乙武さんのセミナーを聞こうと思ったら(しかも無料で)なかなか大変だろうなと思ったわけです。
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第2回健康セミナーのポスター |
んで、時間もあるしせっかくなので聞きに行こうかなと、本当軽いノリで聞きに行くことにしました。
さて肝心のセミナーはというと
なんと言うか講演慣れしてる感がハンパなかったですね。
ちゃんとターゲットについても把握し、ゆっくり丁寧にローカルトークも交えつつ掴みもOK。
健康セミナーという事もあって、聞いている人は高齢の方の方が多かったと思います。
僕としてはセミナーというより、あれから40年的アプローチから入ったなといった感じで、全国各地回られているだけあって凄い板についている感じで安定感が凄かったです。
こういう方は自治体からは引っ張りだこだろうなって率直に思いました。
障がい者にたいして、僕らはどうしても一歩引いてしまったり遠慮をしてしまいがちです。
そこを自らを笑いに変える事で、聞いている側は随分楽になります。
「あ、笑って大丈夫なんだって」
それも変に露骨ではなく、自然にそういうような雰囲気に持っていく所がベテランの話術のそれでしたね。
実に、この掴みというか前振り的談笑が約45分ほど続きます。
その頃になると、すっかり健康セミナーである事はどこかに消えていて、単純に芸能人が面白い話をしているような状態になっていました。
それが一変したのが、ある乙武さんの教え子とのエピソードからでした。
あどけない低学年の生徒達は、率直に障がいの事に対して質問をしてくるけど、高学年になると次第に「これ聞いていいのかな?あんまり見ちゃいけないのかな?」など、まぁ私たちと同じような反応になってくるようです。
そんな時に、ある教え子の女の子から
「先生、靴のサイズいくつ?」
って聞かれたそうです。
もちろん、乙武さんは靴を履かれません。足がありませんから。
ややあって、「はっ」とした表情をした彼女を見て彼は
「しめた!」
と思ったそうです。
なぜならその瞬間、彼女にとって乙武さんは「障がい者」としてではなく「ひとりの人間」であり教師として存在したからだと続けます。
乙武さんは同じようなエピソードを自身の仲の良い友人と交わす事があるそうです。例えば足湯に行こうと誘われたり。
要は自分が相手からどう扱われているのかわかるポイントが、ここだという事を体験を通して知っていたという事です。
僕の感覚では超絶ブラックジョークなポイントであり、実際セミナーの中で語られた時は笑ってしまいましたが、やっぱ笑っていいと思うんですよね。
素直な反応なんで。
昔大阪の友達と障がいについて話ていた時、「笑いに使えた時が社会的成熟を迎えた時だ」と話していた事を思い出しました。
まぁ、怒られたら謝る事になるのだと思いますがね。人それぞれの受け止め方があると思うので。
さて、本セミナーの表題は「チャレンジする精神を忘れずに」である。
彼は指導者・教育者の立場から生徒に対してチャレンジや挑戦を促すが、子どもは誤魔化しがきかないという事を身をもって経験しています。
「お前はどうなの?」って挑戦もチャレンジもしない人間に言われても説得力もやる気も出ないと。
大人の世界でもそうですよね。
彼は本当に頭がいいなと思いました。
自分には格好の言い訳が転がっている。
手足がないって事は、この先一生何もしなくても良い。それはとても恐ろしい事だと思った、と。
久々に力のある言葉をもらったなって思いましたね。
僕も昔から障がいのある人と関わる事が多かったので同じような事を思ってました。
障がい者手帳とかが免罪符みたいに使われたり、思ったたりする人を見ると虫酸が走ったりしたものです。
差別は大嫌いだけど、弱いふりやルサンチマンな奴はもっと嫌いだったから。
ま、言い訳がどんなに上手でも
状況が変わらなければ、結局はそれを受け入れるほかないんですよね。
良くも悪くも自分で選んだ道なので、後悔がないようにって感じですね。
人の人生にあれこれ言えるほどの人間ではないので。
とは言っても、ひとりで生きていける人間なんていないんだよね。
ただし誰と一緒にいるかは僕らは選べるんだよね。
実はこれが凄い人生の中で大切な事なんだって事に最近気づき始めました。
文字で見ると凄い誤解を受けやすいけどね。
それでも、みんな選んでいる訳じゃん。
例えばそれが僕にとっての奥さんであるように。
さて、僕らは言い訳のスペシャリストです。
それでも、今日は言い訳の極地であるこんな言葉を思い出しました。
古谷実が「グリーンヒル」の最後でも語っていた最大の敵である「めんどくさい」これです。
思えばこれのおかげで今の僕があります。
人が嫌がる事、めんどうくさがる事を率先してやっていたら、いつのまにか色々できるようになりました。
話のネタも引き出しが足りなくてタンスを新たに購入するくらいに増えました。
どうも、最強にめんどくさい男です。許可をいただければ何時間でもしゃべりますよ(笑)
改めて乙武さんの今日の講演会を振り返るとね
対象年齢が高めじゃない、僕ら向けのというか普段の講演会を聞きに行ってみたいなって思いました。
ディスカッションとかディベートでも良いかな。
PS,加筆をしていて思い出した事がある。
僕は昔、中村久子という両手両足がない女性について脚本を書こうと思っていた事があった。
なぜ彼女について書こうと思ったのか今は思い出せない。
それでも、良いタイミングで忘れていた事を思い出した。
認識できた時点で、半分解決しているから。
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